性懲りもなく、日仏までまたストローブ=ユイレの
『あの彼らの出会い』(06)を見に行ったのですが(これで3回目)、さて、開映までどうやって時間を潰したものか? 情報誌をパラパラめくってみると、「セザンヌ」の4文字が目に飛びこんでくる。ストローブ=ユイレの前にセザンヌ――これほど正しい時間の潰し方があろうか? というわけで、
ブリヂストン美術館の特集展示
《セザンヌ 4つの魅力――人物・静物・風景・水浴》へ。
展覧会としてどうこういえる規模のものではありませんが、美術ド素人の私にとって、セザンヌの絵というのは、色彩や見かけの輪郭をいったん離れて絵の具の痕跡だけ見つめていると、本当にどれもこれも全部「火」だなあ、と。単純にストロークの痕跡が、どれも燃える火を描いてるようにしか見えない。当然、「山を見よ、かつて火であった山を」という、ストローブ=ユイレが座右の銘にしていたセザンヌの言葉が思い出されるわけですが、木も水も人も陶器も全部「火」だ、と思えたところで、日仏へと取って返すのでした。
ちなみに、
『コロッサル・ユース』も再見しましたけど、
感想は変わりませんでした。ペドロ・コスタって、こんなに「動き」で発想しない人でしたっけ?(邦題未定とのことですが、『若いっていいな』というのはどうか?)